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2008年11月21日 (金)

霞が関「解体」戦争

1681






猪瀬直樹・著

四六判上製/224頁/定価1680円/2008年11月

●地方分権をめぐる官僚との緊張感あふれる論戦が一冊に
 本書は、著者が委員を務めている「地方分権改革推進委員会」の延べ二百時間に近い議事録の一部を抜粋し、わかりやすい解説を付けた本です。巨大な予算と権限を握ったまま、機能不全に陥った日本の官僚システム。ここにメスを入れないかぎり、日本の地盤沈下は止まりません。何をどう変えればこの国の閉塞状況に風穴を開けられるのか。地方分権によって新たな「この国のかたち」を描きだそうと奮闘する著者はじめ分権委員会のメンバー、かたや組織防衛のためのレトリックをしたたかに駆使する霞が関官僚――。息詰まる論戦のプロセスがつぶさに記録された臨場感あふれる一冊です。

[本書から]
●国家公務員33万人のうち21万人は地方の出先機関にいる。そして、彼らが所属する出先機関の透明性はきわめて低い。北海道開発局で汚職が繰り返されるのは、その結果といえる。
●本来、法の執行機関であるはずの各省庁が独自に定めている「基準」(省令などによる)が自治体を支配し、地方の自主性を奪っている(地方の歳出の9割にこの「基準」が適用される)。保育所で赤ちゃんがハイハイするための「ほふく室」の大きさまで全国一律で決められている。ニーズがありながら保育所を増やせないのも、全国に似たり寄ったりのハコモノがあふれるのも、この「基準」の弊害だ(地方分権改革推進委員会の調査によって、1万を超える「基準」が存在していることが判明した)。
●縦割行政の弊害は皇居にまで及んでいる。皇居の周辺は国土交通省、環境省、宮内庁、東京都の管理部門にそれぞれ分かれ、きわめて統一感のない植栽になっている。
●「分権改革を進めると地方が疲弊する」というのは、既得権を手放したくない霞が関による情報操作だ。補助金をばらまき続けても地方の依存体質を温存するだけなのは、夕張市の例を見れば明らかだ。

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