« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »

2008年12月

2008年12月22日 (月)

地球46億年全史

169046




リチャード・フォーティ 著
渡辺政隆・野中香方子 訳
四六判上製/576頁/定価2940円/2008年12月

地球環境の未来を考えるための必読書。
『生命40億年全史』の著者、待望の最新作。

 著者の前著『生命40億年全史』(2003年、小社刊)は、まさに圧倒的な作品でした。生命誕生の神秘から、さまざまな生物が進化と絶滅をくりかえし、人類誕生にいたる生命史のスケールの大きさ、ドラマチックな展開に、手に汗握りながら読んだと、多くの読者から大きな反響をいただきました。
 本書はそれを上回る46億年。前著と同様、壮大なスケールを巧みに描きとり、科学者たちの苦闘ぶりを紹介しながら古代の姿をあざやかに再構成してみせる、この圧倒的な筆力は見事というより他ありません。
 巻頭、ナポリの風景描写から始まる物語は、私たちが大地の上に暮らしていながら、周囲の地質に多大な恩恵と影響を被っていることにいかに気づいていないかを教えてくれます。建物、道、大理石の置物に指輪の貴石、私たちの身近いたるところに、地球46億年の壮大な歴史への入り口はあるのです。
 宝石や大理石を生み出した力とは何か。じつは同じ力が、アルプス山脈の地層を大きく歪ませています。その力はさらに、ポンペイを壊滅に導き、ハワイ諸島で新しい島々を誕生させ、はるか大西洋を越えてつながる断層線を描き出す──世界各地の風景をたどりながら、著者は少しずつ地球の相貌を大きく変化させてきた力の謎、大陸移動とプレートテクトニクスの正体に迫っていきます。
 プレートの動きは年にわずか数センチ。私たちの目にはわかりません。しかし本書を読んでいると、海が現れては消え、大陸が分裂し、衝突し、沈み、乗り上げ、すでに地球を6 周もしたというプレート活動のスケールの大きさを如実に感じられるはずです。
 読後、私たちはそのプレートの上で暮らしているという事実にあらためて驚きを覚え、もはや風景や地球を見る目が変わってしまうに違いありません。そしてこの視点こそ、地球環境を考えていかなければならない私たちに必要なものと言えるでしょう。

ヨイショの技法 ――大人の人間関係をつくる方法

1687


グループ・ニヒト・著

四六判並製/240頁/定価1260円/2008年12月

役に立つコミュニケーション技術としてのヨイショ
 ヨイショという言葉にはネガティブなイメージが付きまといます。ですが、見えすいた言葉がとてつもない威力を発揮する場面を、私たちはしばしば目にします。褒められて嬉しくない人はいない、というのもやはり真理なのです。見え見えの言葉なのに相手の心にしっかり届く一言、それこそが本書が定義する「ヨイショ」です。この本では、TPOに応じた具体的なヨイショの方法を解説するだけでなく、説得力を持たせるための態度や声の出し方なども紹介していますので、トータルに「他人を褒めるためのテクニック」を学ぶことができます。大げさな言葉で人の心を掴むには細かい観察力とほんの少しの遊び心が不可欠です。本書が提案する「正しい(適切な)ヨイショの技術」が、人づきあいをスムーズにするための潤滑油になることを願ってやみません。

[本書から]
●ヨイショすべきポイントは、「相手の自覚しているプラスの要素」→「相手の自覚していないプラスの要素」→「相手の自覚しているマイナスの要素」(難易度順・易→難)の三つに分類できる。
●ヨイショする際にもっとも留意すべきなのは声のトーン。トーン・コントロールの第一歩は相手のテンション、気分に合わせること。
●とっさに適切なヨイショを繰り出すためには、マイナスをプラスに言い換える言葉のストックをたくさん持っていることが大切。(例)空気が読めない人→自由奔放、悪趣味→独自の美意識の持ち主、愛想がない→クール(こびない)、おせっかい→世話好き
→詳細は巻末の「ものはいいよう(M・I辞典)」をご覧ください。

2008年12月15日 (月)

すごい空の見つけかた

1686


武田康男著

B5変形判上製/96頁/定価1680円/2008年12月

◆「こんな空があったのか!」と驚かされる美しい写真
 だれの上にも等しくある空ですが、日常の忙しさのためにあまり空を見ずに過ごしている方が多いのではないでしょうか。本書は、改めて空の美しさを教えてくれる、気象写真の第一人者による空の写真集です。ブロッケン現象やオーロラ、皆既日食などのめったに見られない現象、入道雲、雷、朝焼け雲といった毎日の空にいつ見られてもおかしくない現象の美しい写真が40点あまり掲載されています。
◆なぜその現象が起きるのか、どうしたら見られるか、科学的に解説
 写真を眺めるだけでも十分楽しい本ですが、本書では、高校の地学教諭でもある著者が、その美しい空の現象が起きる理由についても、科学的にやさしく解説しています。それも、たんに科学的な知識として説明するだけでなく、それらの現象がどのようなときに、どうすれば見られるか、まさに本書のタイトルどおり「すごい空の見つけかた」を指南する形で書かれています。解説の着眼点が非常に面白いので、解説を読む前と後では、写真を見る目が変わってしまうことでしょう。
◆日本ほど、空を見るのに適した場所はない
 本書に掲載の写真は、ほとんどが日本で撮影されたものです。著者によれば、日本は本当に幅広い気象現象を観察することのできる、空の愛好家には最高の場所だといいます。日本には豊かな四季の変化があるので、毎日同じところから空を見上げても、まったく違った空が見え、驚くような美しい空が見られることも珍しくありません。本書をきっかけに、空をより身近に感じ、気象観察・気象写真の愛好者が増えれば、とてもうれしく思います。

著者紹介
武田康男(たけだ やすお)
1960年生まれ。東北大学理学部地球物理学科卒業。高校教諭。気象予報士。日本気象学会会員。日本自然科学写真協会会員。著書に『空の色と光の図鑑』[共著]、『楽しい気象観察図鑑』(以上、草思社)、『天気の自由研究』(永岡書店)など。2008年、第50次南極地域観測越冬隊員に選任され、2008年12月下旬より2010年春まで、極地観測に従事する予定。

« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »