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2009年2月23日 (月)

脱ニッポン人生――自分の居場所の見つけ方

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大倉 直=著
四六判並製/224頁/定価1,365円/2009年2月

◆ニッポンを飛び出したら、どんな人生が待っているのか?
 不況のいま、派遣切りや就職難が話題になり、いかに生きていくかという問題が大きくクローズアップされています。
 本書で扱われているのは、そんな日本社会のレールからはずれ、海外に飛び出していった人たちの人生です。向かった先はメキシコ、トルコ、タイ、ネパール、中国……と本当にさまざまです。
 ユニークなのは、取材対象が「ふつう」の人たちだということです。海外脱出の成功者たちに成功した秘訣を訊いたのではなく、かつて海外の旅先で出会った人たちを再訪して、その後どう「サバイブ」しているかを取材したものなのです。それゆえ、成功した人もいれば、「何となく日々を過ごしている」人、あるいは「後悔している」人などもいて、「脱ニッポン人生」のリアルな側面を見ることができます。
 彼らの人生の形は多様なれど、誰もに「自分が心底納得できる人生を築いていこう」という意志が共通してあったと著者は指摘します。飛び出していった後、さまざまな物語を経てそれぞれの居場所に辿り着いた彼らを見ていると「生き方はいくらでもある」「とにかく何でもトライしてみよう」と、元気がわいてくる思いがします。
 社会が沈滞ムードに覆われたいま、人生に迷っている人たち、不安を抱えている人たちにぜひ読んでもらいたい1冊です。

【本書より】
・ふらっと旅で寄った中国に興味を持ち、住み着いて翻訳の仕事で食べていくようになった青年
・旅先で知り合ったタイ女性に夢中になり、結婚してバンコクで店を出して暮らしている演劇青年
・ネパールに住み着き、月収五千円でなりゆきまかせに暮らしている神父
・旅先で立ち寄ったメキシコに目をつけ、日本で貯めた百万円を元出にして、マンガ本屋をヒットさせた放浪者
・女子高を中退してFMWに入り、その後メキシコでのルチャリブレ修業を経て、現在は日本で女子プロをしているシングルマザー
・妻と「50歳になったら役割交替をしよう」という約束を交わし、実際にトルコに語学留学にやってきた定年夫

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