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2009年5月

2009年5月21日 (木)

草食系ビジネスマンのためのストレスフリー仕事術――心に負担をかけずに働いていける24の方法

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精神科医・奥田弘美=著

四六判並製/216頁/定価1,260円/2009年5月

●ストレスがちなビジネスマンのための、まったく新しい仕事マニュアル
 精神科医の著者によると、最近、クリニックに、いかにも「草食系」というビジネスマンが来ることが増えているといいます。
「能力がないわけではないが、出世や成功をガツガツ貪欲に求めない」「競争心はあまりなく、受け身的に仕事をこなしていく」「気が優しく、周囲との調和を大切にする」といったタイプ。一言でいうと、少し淡泊ではあるものの、優しく真面目なビジネスマンといったところです。
 そしてそんな彼らが、真面目な性格、優しい性格が災いして、会社で追いつめられていることが多いというのです。しかし著者によると、じつはこうした草食系ビジネスマンは柔軟な価値観を持っていることが多く、プラスの面を生かすようちょっとしたアドバイスを送ってあげると、のびのびと活躍していくことが多いといいます。
 そうした現場での経験を元に、「草食系ビジネスマン」がストレスを感じずに安定して力を発揮できる「仕事術」を具体的に書いたのが本書です。
 曰く、「口下手でもいい。聞き上手になる」「『ここぞ』というときだけ力を発揮する」「『負の思考』に落ち込まない脳をつくる」「会社の『利用目的』をリスト化する」などなど。
 多くの企業で社員に対するプレッシャーが厳しくなっている昨今、職場でサバイバルしていく一助となる本書は、ひとりでも多くのつらさを抱えているビジネスマンたちにぜひ読んでもらいたい一冊です。

【目次より】
第1章  「草食系」の短所を分析し、長所を伸ばす
第2章  「会社=ストレス」という思考を変える
第3章 人間関係ストレスから身を守る
第4章 クヨクヨしながら前に進む
第5章  「負の思考」に落ち込まない脳をつくる

絶望の中で自分に言い聞かせた50の言葉

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樋口裕一(ひぐち・ゆういち)著

四六判並製/176ページ/定価1260円/2009年5月

今、不遇・不運に嘆く人たちへ、こうすれば立ち直れる。自らの体験をもとに絶望からの脱出法を50の言葉、キーワードを使って伝授する。

●人生順風満帆の著者の四〇歳ぐらいまでは絶望の日々だった

 数年前に著者の『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)という本が二五〇万部を超えるベストセラーとなった。その後たくさんの著作の刊行、講演活動等で大活躍し、著者はいまや大学教授(多摩大学)にまでなった。しかし、著者の二〇代、三〇代は暗い絶望の時代だったというと意外に思う人が多いだろう。大学を出たけれど定職もなく、日々の生活費にも事欠く有様、ある女性にも裏切られ、将来にまったく展望のない時代が続いた。やや運が向きはじめたのは三〇代の後半から、予備校教師になり、小論文指導で名前が売れはじめてからである。
 現在、経済不況の深刻化もあり、若者だけでなく多くの人たちが自分の人生の不運を嘆き、不遇な境遇を嘆いている。彼らに自分の経験を語り、何らかの参考にしてもらいたいと、著者は筆を取った。本書は一体験者からの絶望からの脱出指南である。

●五〇個の言葉を読みつづけるうちに回復力がついてくる
 この本の特徴は、当時著者が自らに問いかけ、効力のあった言葉を五〇並べて、その意味するところを簡潔に述べているところである。著者のさまざまな著作に共通する簡潔で、プラグマティックな方法論が人生論として語られているのが面白い。小論文指導や文章術や会話術といった実用書のように読めて役に立つ。五〇のうちからとりわけ胸に響く、いくつかの言葉を次に掲げよう。

◎私がいかに苦しんでいるか、ほかの誰も気づかない。ということは、ほかの人もみんな私と同じように、あるいはそれ以上に苦しみながら、それを表に出さずに生きているということではないか。
◎生きてさえいれば、取り返しのつかないことはない。点を取られたら、取り返せばいい。人生にコールドゲームはない。
◎満点を目指すな。満点を目指すと、いつまでも仕上がらず、仕上がってもありふれたものになる。
◎人は自分のために生きているのではない。他人のために生きている。だから、自分の価値が感じられる。

全国鉄道事情大研究〈中国篇2〉

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川島令三

四六判/並製/288頁/定価1995円/2009年5月

新幹線に見放された主要駅へのアクセスを改善するよう具体策を提示するとともに、
「瀬戸内マリンビュー」「SLやまぐち」号等のジョイフルトレインも詳しく紹介。

 シリーズの26冊目となるこの『中国篇2』では、ご覧のように中国地方の西側の19路線を取り上げました。本篇をもって関東圏以西の路線はすべて取り上げられ、残るのは東北と北海道の路線ということになります。
 この3月にJRではダイヤが改正され、本篇が扱うエリアの路線でもかなりの変更がありました。山陽線では昼間時に1時間毎に走っていた快速「シティライナー」の本数が削減され、岡山―福山間の快速「サンライナー」の本数も同様に削減され、宇部線では快速「のぞみリレー」号が廃止され、山口線では快速「やまぐちライナー」が廃止されて普通となりました。
 このような、いわゆる後ろ向きのダイヤ改正をどう見るべきでしょうか。著者は「後退思想」によるものと断じています。すなわち「国鉄の影の部分、鉄道運営のやる気のなさまで継承してしまった」せいであり、「ついにはJR西日本の路線の多くが廃止になってしまう可能性すらある」とまで慨嘆しています。
 福塩線の非電化区間、芸備線、木次線、三江線など、山間部を走る路線では崖崩れなどを恐れて速度を25キロに制限している区間がかなりあります。しかも、このような制限個所は年々増えているので、所要時間も年々伸びています。
 これは崖の法面を強化する工事を施さずに放置しているからです。改善しようとせずに腕をこまねいている――これも後退思想の現れといえるでしょう。「こんなことでは乗客から敬遠され、やがて廃止になってしまう。というよりも、大きな崖崩れが起こって、やむなく廃止となる事態を待っているかのようである」と著者は憂えています。
 ちなみに25キロ制限というのは、この速度であれば崖崩れや落石があっても、その手前ですぐに停車できるし、乗り上げたとしてもダメージが小さいということです。
 JRに苦言を呈する一方で、広島電鉄や一畑電車が利用増を図るために努力していることを高く評価し、特に広島電鉄については頻繁運転や3~5車体連節で走らせていることを称え、改善すれば利用される好例として紹介しています。
*   *   *
 それぞれの路線については、現状がいかに嘆かわしくても、あるいはそれほどでなくても、著者はその路線の特徴に合わせた何らかの改善策、あるいは活性化策を提示しています。以下、例を挙げてみます。
 山陽線については、新幹線と連携した新たな快速を設定して、新幹線駅が併設されていない主要駅へのアクセスを改善するよう提言しています。
 芸備線については、木次線とともに高速化して便利な陰陽連絡にすること。伯備線とともに陰陽連絡を担う路線として機能すれば、それなりに便利になるからです。なお、高速化とは、軌道を強化して高速で走れるように改善することです。
 可部線は黒字路線ですが、LRT化して広電市内線に乗り入れてはどうかと提案しています。広島の都心に直通することで非常に便利になるからです。
 錦川鉄道については、岩国―新岩国間にシャトル列車を走らせるよう提言しています。岩国から新幹線を利用するのがずっと便利になるからです。
 小野田線は市街地を走っているのに駅間が長く、運転間隔も長い。駅の数を増やして頻繁運転を行い、都市内交通機関として役立てるべきです。
 山陰線の益田以西では普通列車しか走らず、しかも過疎運転なので、萩や長門市に行くのはとても不便です。これを便利にするには山口線と美祢線を通る循環特急を走らせる必要があります。
 これらの著者の提言が今後の鉄道の改善のために生かされれば幸いです。
 なお、本篇で扱うエリアの路線には4種のジョイフルトレインが走っています。呉線の「瀬戸内マリンビュー」、山陰線の「みすゞ潮彩」、木次線の「奥出雲おろち」、山口線の「SLやまぐち」号です。これらの観光列車についても詳しく紹介していますので、利用する際の参考にして下さい。

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