« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月

2009年6月22日 (月)

アトピーも掌蹠膿疱症も
皮膚の病気は内臓でなおす

1715







猪越恭也著
四六判/並製/192頁/定価1470円/2009年6月22日

■「慢性皮膚病」がいつまでも治らないのはワケがある
 アトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症などの慢性皮膚病は難治性といわれ、一生つき合うしかないと諦めている方も多いようです。現在の治療法は、ステロイドの塗り薬で患部をおおうのが主流。しかし、それがかえって症状を慢性化させていると著者は指摘します。
 著者猪越恭也さんは、中医学(中国医学)の研究実践を長年にわたって重ねてきた専門家であり、漢方薬局の薬剤師としていろんな症状の患者さんと直接向き合ってこられた経験豊富な方です。前著『顔をみれば病気がわかる』はロングセラーとなっています。
 中医学では、「皮膚」は「肺(呼吸器)」の一部と考えられるといいます。この呼吸器である皮膚を薬剤でおおってしまい、炎症を鎮めるホルモンを外部から大量に投入しつづけるというのが現在の治療法。これでは一時的には症状を抑えられても、根本的な治療に結びつかないのではないかと著者は指摘します。

■皮膚には内臓の状態があらわれる
 中医学の考えにしたがうと、「肺」は「脾(消化器)」と「腎(泌尿生殖器・ホルモン系)」と密接につながっています。たとえば消化器系が弱まれば呼吸器系も弱まる、逆に消化器系が元気になれば呼吸器系も健康になっていく、こんな関係が見られるのです。
 乳幼児期に発生するアトピー。かつては成長とともに治っていくケースが多かったのですが、現在ではそのまま成人になっても治らないことが多い。これは、薬物をつかった療法をほどこしたがために、自然に治る道がふさがれてしまったのではないか。
 乳幼児は、消化器系をはじめ内臓がまだ未発達の状態です。そこで起こる不調が皮膚に症状として出ると考えることができ、したがって、成長して内臓が発達していくと、皮膚も健康になっていく……そう考えられるのです。
「皮膚は内臓をうつす鏡」ともいわれます。皮膚の症状について、皮膚だけ切り離して考えるのではなく、からだ全体のつながりとバランスのなかでとらえる、これが著者の考え方。著者はこの考えに基づいて、適切な漢方処方や食事の改善等を行うことで、実際に難病・掌蹠膿疱症を治癒させた実績をもっておられます。

■内臓を元気にすれば皮膚も健康を取り戻す
 本書では、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、慢性じんましんなどの慢性皮膚病を中心としつつ、乾燥肌、脂性肌、ニキビ、しわ、シミ(肝斑)、くすみなどの一般的な皮膚の症状・トラブルの原因と対処法もくわしく説明します。
 皮膚には内臓の不調があらわれる。皮膚が荒れているときは、内臓も弱っている。逆に、内臓を元気にすれば皮膚も健康を取り戻す。
 これが本書の基本的な考え方。そのために必要な情報をあますところなくお伝えする、一家に一冊ぜひ常備していただきたい本です。

野菜で体がよみがえる
――知られざる野菜と果実の底力

1716






橘みのり著/大場秀章監修

四六判/並製/192頁/定価1260円/2009年6月

抗酸化力、免疫力、デトックス力……。
野菜と果物の健康・美容パワーがよくわかる本!


■なぜ野菜や果物は体にいい?

「肉ばかりじゃなく、野菜をとらなきゃ」「フルーツも少しは食べないと」……。何かしらの体の不調や肥満などに悩む多くの現代人は、こう思っているにちがいありません。しかし、なぜ人は野菜や果物を食べるのか、また、なぜ健康のために必要なのかということについて、正しく理解している人はどれほどいるでしょうか。
 そんな野菜と果物がもつ力とおいしさの秘密を解き明かそうと、植物の起源から、最新の栄養学的知見と伝統的な食の知恵、さらには亜熱帯地方の野菜・果物事情までを、実に丹念に追いかけて取材を重ね、興味深くまとめあげたのが本書です。

■野菜と果物の奥深い力
 近年、「抗酸化力」「免疫力」「解毒力(デトックス)」といった、野菜と果物が私たちにもたらしてくれる美容と健康に役立つパワーが注目を集めています。色素に含まれる微量な栄養成分、「ファイトケミカル」が大きな働きをもつことがしだいにわかってきたからです。
 しかし、まだまだ解明されていないことが数多いのも事実。野菜と果物に備わる力は、実に奥深く、神秘的ですらあると著者は言います。
 植物は、気の遠くなるような時間をかけて、自らを守るサバイバル戦略として、そうした様々な力を身に付けてきました。本書を一読すれば、きっと野菜と果物がもつ多様な力をあらためて実感するにちがいありません。カラフルな写真も随所に挿入され、気軽に読めるこの本は、仕事柄、料理と栄養に関する専門的な知識を得たい人や学生はもちろん、おいしく健康的に野菜と果物を味わいたい多くの人々にもお勧めしたい一冊です。

日本が拉致問題を解決できない
本当の理由(わけ)

1717








荒木和博=著
四六判上製/240頁/定価1890円/2009年6月

飯倉公館事件、「家族会」バッシング、山本美保さんにかかわる「DNAデータ偽造事件」。
徐々に浮かび上がってきた、拉致問題の深い闇と驚くべき〝国家犯罪〟!

●不可解な膠着状態の真相に迫る
 平成十四年の小泉訪朝で北朝鮮が拉致を認め、五人の拉致被害者とその家族が帰国して以降、事態はいっこうに進展を見せないまま、七年の歳月がむなしく流れました。北朝鮮が犯人であり、被害者の居場所が北朝鮮であるとわかっていながら、なぜ問題が解決せず、被害者を取り戻すことができないのか。このことは日本人の誰もが、もどかしく、いぶかしく思っている疑問です。本書は、拉致の可能性のある失踪者=特定失踪者の調査・救出活動の最前線に立つ「特定失踪者問題調査会(調査会)」代表、荒木和博氏が、これまでに判明した事実に加えて、建国(一九四八年)以来の北朝鮮の歴史をふまえ、この不可解な膠着状態の真相に迫ったものです。

●昭和二十年代から拉致を知っていた?

 まず注目すべきことは、拉致は、北朝鮮の建国まもない頃から、通常の行為として行われてきたのではないかとの指摘です。「調査会」のリストにある特定失踪者は、現在、約四百七十名、うち拉致の可能性の高い失踪者(通称一〇〇〇番台)は七十一名。先の〝人工衛星打ち上げ成功〟の記念写真で、金正日の後方に写っている人物ではないかと報じられた河島功一さん(大学でロボットアームを研究)が含まれていることからもわかるように、確度の高いリストですが、このなかで最も古いケースが、昭和二十八年に失踪した徳永陽一郎さんです。拉致は一九七〇年代後半から始まったという通説をくつがえすショッキングな事例ですが、警察をはじめとする調査・捜査機関はこうした事件を?んでいたのでしょうか。?んでいて放置していたとすれば、重大な責任問題に発展しますから、関係者は口をつぐんでいるはずです。こうしたお役所的姿勢が、拉致問題が解決しないことの要因の一つではないかと、本書は示唆しています。

●拉致問題の見方を根本から変える

 お役所=日本政府の真意を、よりはっきりとあらわすものとして、荒木氏は次の三つの事件を取り上げています。すなわち、家族を外務省飯倉公館に〝隔離〟し、「死亡」情報の確定化をはかった第一次小泉訪朝時の飯倉公館事件。何一つ成果のなかったことで、「家族会」の人々が首相を追及する場面を、本来はオフレコにすべきところを取材させ続け、「家族会」批判の世論をつくりだした「家族会」バッシング。そして三つめが、一〇〇〇番台リストの一人、山本美保さん(昭和五十九年六月四日、甲府で失踪)の双子の妹、森本美砂さんの血液と、美保さん失踪から十七日後に山形の海岸に漂着していた女性の遺体の骨髄のDNAが一致したと、平成十六年(失踪から二十年後)に山梨県警が発表するも、数多くの矛盾が見出された「DNAデータ偽造疑惑」。この件は、第二章(一五七―七〇頁)で詳述されていますが、端的に言えば、美保さんの〝入水自殺〟をほのめかし、特定失踪者の救出活動の動きを抑えるのが目的だったということです。
 これらのことから浮かび上がってくるのは、日本政府はこれ以上、拉致被害者をふやしたくはなく、日本政府の責任で被害者を取り返す意志はないという驚くべき事実です。実際、年間五億円の予算がついた拉致対策本部でも、実質的な情報収集活動は行っていない由。この問題が解決できない真因は、実は足元にあったのであり、これは北朝鮮の国家犯罪とは別な意味での〝国家犯罪〟と言えるかもしれません。拉致問題のとらえ方を根本から変える本書は、新たな視点での救出のアプローチを探るうえでも、画期的な報告と言えるでしょう。

びっくりするほど説明がていねい
中学の数学・方程式が超わかる本
 《小学6年生から》 

1714






飯田圭一 著      
A5判並製264頁/定価1575円/2009年6月

●びっくりするほど説明がていねいな「読む家庭教師」!
 著者はプロ家庭教師です。中学受験生から大学受験生まで担当していますが、なかでも勉強嫌いな生徒を勉強好きに変身させることを得意技としています。
 中学に進学して、算数から数学に移行したとたん、「正負の数」「文字式」などで早くもつまずく生徒は少なくありません。そして意味がわからないまま授業は進み、やり方だけ覚えるものの応用がきかず、たちまち数学嫌いになってしまうのです。
 そんな生徒も、著者が家庭教師として図解しながらかみくだいて意味を説明すると、ちゃんと理解でき、問題も正解できるようになります。ですがプロの家庭教師を依頼するのは、医師など高収入のご家庭にかぎられ、普通の家庭の数学が苦手な子どもに教えられないことを、常日頃より歯がゆく思っており、それが本書執筆の動機となりました。

 本書は「マスクマンX」という謎の家庭教師と生徒2人とのかけあいで授業がすすむ、まさに「読む家庭教師」です。負の数をかけるとなぜ符号が変わるのか、文字式における文字の意味や、「=」の意味など、数学が苦手な子がどこでつまずくかを熟知している著者が、要所要所を図解しながら懇切丁寧に説明していますが、そうした「要所」の多くは、通常の参考書では自明のこととしてわざわざ解説していないことが多く、本書の特徴としてきわだっています。ここまでかみくだいて説明している参考書はほかにないと断言できます。
 くだけた会話調で、中学数学の基礎である方程式がしっかりマスターできますので、中学1年生で、数学に苦手意識をもちそうな気配のあるお子さんや、中一の基礎からやり直したい生徒さん、あるいは中学進学前の小学6年生に、ぜひすすめてほしい一冊です。

ご飯は半分にして肉でやせる 
肉食健康ダイエット

1713








荒木裕(あらき・ひろし)著 
四六判並製/二〇八ページ/定価一三六五円/2009年6月

●現代人の食事の問題点は炭水化物のとりすぎにある。メタボ、成人病、ダイエットの失敗も炭水化物を断ち、肉・魚をとることで解決できると説く、目からウロコの健康実用書。

●肥満・糖尿の専門医が説く炭水化物=糖質の危ない食品群
 著者は兵庫県加古川市で糖尿病のクリニックを二〇年以上開業している肥満・糖尿の専門医です。それ以前はアメリカに留学して医学を学んできました。アメリカで肥満が社会的に問題になった六〇年代から、そしてそれに追随するようにして日本で肥満やダイエットに関心が寄せられるようになった現代まで、一貫してこの問題に取り組んできました。
 著者の説くところでは、肥満の原因は炭水化物=糖質のとりすぎであり、人間の体に本来必要なのはタンパク質であるから、肉・魚を食べて、炭水化物をやめれば、肥満は防げるというシンプルなものです。
 アメリカと日本では若干事情が違いますが、共通しているのは、ここ数十年のあいだに、炭水化物や糖分が大量に含まれた安価な食品が大量に出回り、見境なく消費者はこのような食品を大量に食べるようになったということです。主に第2章でこの現代の食品事情について述べられていますが、ここでは、健康にいいとされる野菜類でさえ、いかに糖質が多く、口当たりのいいものになっているかが指摘されています。 

●炭水化物をやめ、タンパク質をとるだけのシンプルかつ超合理的ダイエット
 
 もうひとつ、日本人特有の食生活上の問題として、ご飯を主食として大量に毎食必ず食べている点を指摘しています。このご飯依存症はタンパク質がとりにくかった昔の名残であり、いまや肥満の元凶であり、この先入観を変えることが必要であると著者は力説しています。炭水化物=糖質はいくらでも際限なく摂取され、皮下脂肪として蓄積されます。また、糖には中毒性・依存性があり、現代人の精神までも蝕んでいることを第3章で著者は書いています。
 従来の食事療法本には「日本の伝統的食事が健康にいい」とか「粗食のすすめ」とか「野菜中心の低カロリー食」とかが勧められていますが、この本ではそれは間違っていると大胆に否定しています。まことに、目からウロコが落ちる指摘と言っていいでしょう。
 本書はダイエット・肥満・成人病に関心を持つ方にはぜひ一読していただきたい鋭い批評に満ちた健康実用書となっています。

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »