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2009年6月22日 (月)

アトピーも掌蹠膿疱症も
皮膚の病気は内臓でなおす

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猪越恭也著
四六判/並製/192頁/定価1470円/2009年6月22日

■「慢性皮膚病」がいつまでも治らないのはワケがある
 アトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症などの慢性皮膚病は難治性といわれ、一生つき合うしかないと諦めている方も多いようです。現在の治療法は、ステロイドの塗り薬で患部をおおうのが主流。しかし、それがかえって症状を慢性化させていると著者は指摘します。
 著者猪越恭也さんは、中医学(中国医学)の研究実践を長年にわたって重ねてきた専門家であり、漢方薬局の薬剤師としていろんな症状の患者さんと直接向き合ってこられた経験豊富な方です。前著『顔をみれば病気がわかる』はロングセラーとなっています。
 中医学では、「皮膚」は「肺(呼吸器)」の一部と考えられるといいます。この呼吸器である皮膚を薬剤でおおってしまい、炎症を鎮めるホルモンを外部から大量に投入しつづけるというのが現在の治療法。これでは一時的には症状を抑えられても、根本的な治療に結びつかないのではないかと著者は指摘します。

■皮膚には内臓の状態があらわれる
 中医学の考えにしたがうと、「肺」は「脾(消化器)」と「腎(泌尿生殖器・ホルモン系)」と密接につながっています。たとえば消化器系が弱まれば呼吸器系も弱まる、逆に消化器系が元気になれば呼吸器系も健康になっていく、こんな関係が見られるのです。
 乳幼児期に発生するアトピー。かつては成長とともに治っていくケースが多かったのですが、現在ではそのまま成人になっても治らないことが多い。これは、薬物をつかった療法をほどこしたがために、自然に治る道がふさがれてしまったのではないか。
 乳幼児は、消化器系をはじめ内臓がまだ未発達の状態です。そこで起こる不調が皮膚に症状として出ると考えることができ、したがって、成長して内臓が発達していくと、皮膚も健康になっていく……そう考えられるのです。
「皮膚は内臓をうつす鏡」ともいわれます。皮膚の症状について、皮膚だけ切り離して考えるのではなく、からだ全体のつながりとバランスのなかでとらえる、これが著者の考え方。著者はこの考えに基づいて、適切な漢方処方や食事の改善等を行うことで、実際に難病・掌蹠膿疱症を治癒させた実績をもっておられます。

■内臓を元気にすれば皮膚も健康を取り戻す
 本書では、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、慢性じんましんなどの慢性皮膚病を中心としつつ、乾燥肌、脂性肌、ニキビ、しわ、シミ(肝斑)、くすみなどの一般的な皮膚の症状・トラブルの原因と対処法もくわしく説明します。
 皮膚には内臓の不調があらわれる。皮膚が荒れているときは、内臓も弱っている。逆に、内臓を元気にすれば皮膚も健康を取り戻す。
 これが本書の基本的な考え方。そのために必要な情報をあますところなくお伝えする、一家に一冊ぜひ常備していただきたい本です。

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