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2009年9月24日 (木)

「恥の文化」という神話

1728






長野晃子・著

四六判上製/264頁/定価1890円/2009年9月


●「恥の文化」は日本を断罪するために創作された!

 日本を「恥の文化」、欧米を「罪の文化」と規定することで、戦後の日本人のアイデンティティに多大な影響を与えたルース・ベネディクトの『菊と刀』。1946年に刊行されたこの本は、今日にいたるまで「日本論の名著」として確固たる地位を得ています。しかし、じつは『菊と刀』は敗戦国・日本を文化的に断罪すべく巧妙に練り上げられたプロパガンダ的著作だった、という驚くべき事実が本書によって明らかになります。著者は長年、民話の比較をベースに日本人の心性を探ってきた民俗学者で、本書では『菊と刀』が書かれた背景、そしてベネディクト一流のレトリックを詳細に分析することで、日本が恥の文化の国(=道徳的に欧米に劣った文化の国)と定義されるにいたった理由を解き明かしていきます。ベネディクトが「恥の文化」という表現にこめた悪意について、これほど詳細に検証した本はこれまでありませんでした。本書は従来の日本論を根底から覆すきわめて挑発的な一冊といえます。

[本書から]
●『菊と刀』は、当時のアメリカ人が潜在的に感じていた原爆投下に対する後ろめたさを癒すのに格好の文化論だった。また、著者の執筆動機もそこにあった(原爆投下直後に執筆を開始したのに、原爆についての記述はない)。
●ベネディクトは『菊と刀』を書いたことで、当時、激しくなってきていた赤狩りから逃れることができ、コロンビア大学教授の地位も得ることができた。
●ベネディクトは『菊と刀』以前に書いた著作では、『菊と刀』で断罪した「日本人の移ろいさすさ・きまぐれ」について、明確に否定している(1940年刊行『人種――科学と政治』)。

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