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2009年10月

2009年10月21日 (水)

現状を打破する 宇城憲治語録

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宇城憲治 著

四六変型判/一九二ページ/定価一四七〇円/2009年10月

古伝空手の達人が折々に語った珠玉の言葉、深い叡智。武道の心で日常を生きれば、不可能を可能にする道が開ける。

古伝空手をベースに独自の活動を続ける著者の真髄
 この本はいまようやく知られつつある、宇城憲治という「武術家」であり「啓蒙家」の真髄を見事に、簡潔に、とらえた本と言っていいでしょう。宇城憲治氏については、極真空手のチャンピオンや、K1の現役選手を瞬時に制してしまう空手の達人ということや、サッカーの岡田監督やメジャーリーガーの田口選手をはじめ、多くのトップアスリートたちが秘かに教えを請う指導者という話だけが一人歩きしている感があり、氏の考えや魅力はなかなか一般に伝わっていないようです。氏の著書やDVDが出ていますが、やや難解な部分もあり、こうして短い言葉として集め、解説を付すと、より明確に氏の教えが読者に伝わってくるのではないでしょうか。

行き詰まりを感じている現代人に必読の語録
 宇城憲治氏は今年六十歳で、若くから沖縄古伝空手の心道流を学び、一方エレクトロニクス関係の技術者でもあり、会社経営にも携わってきました。現在「UK実践塾」という私塾を主宰し、全国で定期的に指導や講演を行い、また年に数回アメリカなどで現地の信奉者たちへの指導を行っています。氏の主張は武道の実践だけでなく、「頭脳」を過度に優先する結果、病気におちいってしまった現代社会や個人に「心」や「身体脳」の重要性を訴えるものです。「逃げない自分を作る、そこから初めて気が出てくる」「一回表は、九回裏と同じ」「身体は速い。頭は遅い」――その言葉は強い自分を作り、常識に挑戦し、新たな決意で生きていくための指針を与えるものです。日本的な伝統に根ざした合理主義、精神性の回復などが基調となった氏の考えは、行き詰まりを感じている多くの現代人に共感を呼ぶはずです。

どうしても人の気持ちがわからない男たち
――自己愛男の見分け方

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臨床心理士 矢幡洋=著

四六判並製/232頁/定価1,260円/2009年10月

婚活前に必読! 自分のことしか考えられない男を見抜く法
 臨床心理士である本書の著者は、これまでの臨床例から、女性を悩ます原因で最も多いのは自己愛性パーソナリティの男だと確信していると言います。
 自己愛性パーソナリティとは、他人の感情に無感覚で、自分に対するこだわりが強すぎる性格を指します。細かな特徴としては、「他人に何かしてもらっても感謝しない」「もったいぶる」「ステイタスにこだわる」「雑用から逃げる」などなど。
 著者によると、近年そうした男たちが確実に増えており、しかも彼らは一見、魅力的であることが多いため、多くの女性が付き合うなどしては苦しめられているようです。
 本書は、そんな自己愛男を「上昇志向系」「プレイボーイ系」「強がり系」「無節操系」の4つのタイプに分け、その見分け方と対処法を書いたものです。
 もちろん、こうした自己愛男に出会ったときの最大の対処法は「近づかない」ことですが、結婚相手や会社の上司など、どうしても付き合っていかなければならない相手に対しての振る舞い方や具体的な対処法がしっかりと書かれています。
 婚活がブームになっている昨今ですが、大きな決断を下す前に、ぜひ一読をお勧めしたい一冊です。

【「自己愛男」のポイント】
◎よく服や髪に手をやるなど、自分のルックスに過剰な関心を持っている。
◎自分のことを話すとなると、やたらうれしそうになる
◎「お腹がすいた」「疲れた」など、ささいな身体的苦痛に過剰反応する
◎相手が熱を出していようと、自分の「快適さ」を最優先で考える
◎魅力的にふるまいながら、相手を操縦して利益をむしりとろうとする
◎「俺サマが口をきいてやる資格があるか」とばかりに、値踏みを入れるような探りをいれてくる。
◎エゴイストで、自分の利益には目がない。よく観察していると「ちゃっかりしたヤツ」というズルさが見える。

田中角栄 封じられた資源戦略 
――石油、ウラン、そしてアメリカとの闘い

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山岡淳一郎著

四六判/上製/320ページ/定価1995円/2009年10月

■「持たざる国」日本の生命線を求め、日米関係の結界を破った角栄
 ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領のいう「核なき世界」で核兵器が廃絶されるとして、原発はどうなるのか? 世界を挙げての温暖化対策のなかで原発の存在はどうなる? その原料であるウランは? 誰がウランを押さえているのか?
 エネルギー資源はいつの時代も紛争の最大の原因の一つでした。世界のエネルギー資源は、したがって極めて強力かつ表からは見えにくい「権力」によって抑え込まれています。
 資源を「持たざる国」日本は、そのなかでいかにしてエネルギーの生命線を確保すればいいのか。これが太平洋戦争期をふくめ近代化以降の日本の最大の難問でした。
 かつてこの問題に自ら体当たりし、活路を開くかにみえながら結局潰されていったのが、宰相・田中角栄でした。アメリカの傘の下で石油をはじめとする資源ルートを厳しく抑えられていた日本から、敢えて結界を破って独自の「資源外交」を展開した角栄は、どんな戦略を立ててどこと交渉し、どんな成果を得ながら、どんな「地雷」を踏んだのか。
 本書はその軌跡をつぶさに検証し、いまなおわが国最大の課題である「日本の資源戦略」を考えるヒントを導き出そうとするものです。

■角栄の「資源外交」から世界の資源争奪の権力構造が見えてくる

 70年代の独自の「資源外交」によって、角栄はさまざまなシーンでアメリカの「資源」の実効支配から飛び出そうとしました。石油メジャーを振り切ってソ連やインドネシアと交渉し、ウラン濃縮ではアメリカを飛び越えてフランスやオーストラリアと手を結ぼうとします。その要所要所で威嚇を発してくるのが、後にノーベル平和賞を受賞するヘンリー・キッシンジャー。資源だけが原因ではないにせよ、やがて角栄はロッキード事件によって排除されていきます。以降、日本の資源外交はなりをひそめた格好となりました。
 角栄のもがいた軌跡とその躓きは、そのまま世界の「資源ネットワーク」の陰画でもあると言えます。それは現在もなお世界を覆いつくし、日本はそのなかで資源を確保していくしかありません。角栄が接近した欧州には「ウラン・カルテル」が存在し、その中核はロスチャイルド家の企業体です。ノーベルとロスチャイルドの関係はよく語られますが、では「核なき世界」の「資源争奪戦」はどのような様相をとるのか……。角栄の資源外交は、まさに現在の日本の針路にとってきわめて重要な示唆に満ちたものと言えます。

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