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2009年12月21日 (月)

定年後のリアル
――お金も仕事もない毎日をいかに生きるか

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勢古浩爾=著

46判並製/240頁/定価1470円/2009年12月

◆「金、健康、生きがい」の3つの不安を吹き飛ばす本
 不況のいま、いかにして生きていくかという問題がクローズアップされている。とくに定年退職が迫った人に対してメディアは、定年後は「六千万円の貯えが必要」「孤独死にご用心」など多くの不安を語る。
 しかし本書の著者は、そうした先行きのことは、それほど思いわずらうべきではないという。いまの日本人は、メディアからの情報に振り回され、不必要なほど不安になってしまっているというのだ。
 たとえば貯蓄や健康状態の「平均」がどの程度かといった話が盛んに語られ、自らを引き比べて不全感を増している人も多いが、現実には「平均」は自分の生き方とはあまり関係のない情報であり、気にしすぎる意味はない。またアンチエイジングや若さを保つ方法が日々声高に喧伝されているが、本来、人は年を取ったら取ったなりの自分を認めていくのが自然であり、若さを過度に持ち上げる価値観自体がいびつだともいえる。
 著者は、そうした風潮を批判していきながら、実体のない「二十年先」までの不安などに振り回される必要はないと説く。人は死ぬのが当たり前、年を取ったら衰えるのが当たり前であり、そうした事実を正面から受け入れて、初めて本当の人生に出会える。そのうえで一日一日から得られる人生の喜びを享受して生きていくのが、定年後の理想的な生き方だという。
 さまざまな不安を打ち砕き、心をほっとラクにしてくれる本書、人生の後半戦をしっかりと地に足をつけて生きていくために必読の一冊である。

●内容より
モデルは小零細企業の会社員
老後の三つの不安――金、健康、生きがい
余命一年と思って生きる
仕事が大事なのは、仕事をしているあいだだけ
自分のプラスを数え上げる
   「どのように生きるのか」の完璧な答え………など

著者紹介  
1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に34年間勤務ののち、評論活動に入る。『まれに見るバカ』(洋泉社・新書y)がベストセラーとなり話題になる。市井の一般人が生きていくなかで、運命に翻弄されながらも自身の意志を垂直に立て、何度でも人生は立てなおすことができると思考し、静かに表現し続けている。著書に『思想なんかいらない生活』(ちくま新書)、『結論で読む人生論』(草思社)など。1988年、第7回毎日21世紀賞受賞。

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