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2010年1月21日 (木)

「がんばらない」経営
――不況下でも増収増益を続けるケーズデンキの秘密

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立石泰則(たていし・やすのり)

新書判変型/ソフトカバー/192ページ/定価1,000円(税込)/2010年1月

創業以来62年連続で増収、不景気知らずの経営の秘密は「無理をしないこと」!?

経営とは終わりのない駅伝競走。無理して区間トップを取っても意味がない。
 出口のみえないデフレ不況下、過酷な安売り競争の激戦区「家電量販」の市場で、今年も増収増益を続けている企業がある。業界でつねに2位、3位の位置を占めている「ケーズデンキ」である。業界1位はヤマダ電機。ところがこの両社の経営手法は見事なまでに対照的だという。ケーズの経営手法は「がんばらない」ことだというのだ。
 デフレ時代、安い価格で競争するには、社員一丸となって必死になるべき。ところがケーズの加藤社長は「無理をしないこと。無理をすればいずれはそのツケが回ってきて、企業にダメージを与える」という。厳しいビジネス環境における常識(必死になる)をひっくりかえすような、このケーズのユニークな経営哲学を徹底取材したのが本書。
 加藤社長は言う。「経営とは終わりのない駅伝競走。区間トップでは意味がない。長く走り続けることが肝心」。そのためには「無理をしない(させない)」というのだ。
 派遣切りが問題視される現在において、社員はコスト、経営の調整弁と言われるのはもはや常識になっている。ケーズは「なんとか社員に長く勤めてもらいたい」と考え、早い段階から週休2日を実施、店長であっても定時には帰宅するという就業環境を実施している。数値目標も与えない。「結果(売上の数字)よりも過程(どのように工夫し働いたか)を評価する」という。社員持ち株制度も導入し、定年退職時にはそれなりの収入がある仕組みをつくっている。現実ばなれした「理想論」としか思えない経営だ。
 ところが、戦後間もない創業からじつに62年間連続で増収、2回をのぞいてすべて増益だという。その実績がいやおうもなく説得力を持つ。従業員を大切にしながら、売上ではなく利益を重視した経営を実施する。業界トップのヤマダ電機には売上では及ばないが、じつは売上に対する利益率ではケーズのほうが上だという。
 厳しい経済状況にあって、過酷なリストラや過労死寸前の労働環境が当たり前のようになっているが、このケーズの「実態」をみるにつけ、「がんばる」ことが本当に正解なのか疑問に思えてくる。現在の日本において、まったく新鮮な視点を提示してくれるじつにユニークな経営紹介の1冊である。

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