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2010年3月24日 (水)

五反田駅はなぜあんなに高いところにあるのか
――東京周辺 鉄道おもしろ案内

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長谷川裕(はせがわ・ゆたか)【著】
穂積和夫(ほづみ・かずお)/村上健(むらかみ・けん)【イラストレーション】

四六判/並製/144頁(一部カラー)/定価1680円/2010年3月

変てこな駅を訪ねて歩く。日頃の素朴な疑問を考えてみる。鉄道の愉しみを満喫する快エッセイ。

池上線五反田駅の成り立ちから廃駅のなごりまで
 池上線五反田駅は異様な高さに取り残されて建っている。誰しも不思議に思うだろう。駅が作られた経緯を調べてみると、その理由はよくわかる。蒲田から逆に延伸してきた池上線は山手線五反田駅を越えて白金あるいは高輪方面に延びるはずだった。計画が頓挫したためにそこに吹きさらしのまま残ったのだ。またこんな駅もある。鶴見線海芝浦駅、海に面した絶景のスポットだが、降りてもただ帰るだけの駅だ。実は東芝の敷地内にあるため社員以外は降りられないのだ。しかし、海に面した空間は気分晴れやかになり素晴らしい。本文三八ページ、三九ページのカラーイラストを参照してほしい(村上健氏による)。不可解であったり、曰くありげな駅や場所はいたるところにあり、そこを訪れ来歴をさぐるのも鉄道の楽しみの一つである。

素朴な疑問を携え見たり乗ったりする鉄道趣味の醍醐味
 また、「なぜ車両と車両のあいだの間通路のドアは横開きなのか」(桜木町火災事故の後遺症なのだ)、「なぜ昔、暑くてたまらなかった夏の地下鉄に冷房が効くようになったのか」(ブレーキの改良の結果だという)、という著者の素朴な疑問からはじまる車両の構造や線路の歴史うんちく話もとてもおもしろい。
 先の村上健氏の駅前風景のイラストと穂積和夫氏の車両のイラストが本書の全体を彩っており、快調なエッセイとあいまって鉄道趣味の楽しさに導いてくれる好読み物である。

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