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2010年5月21日 (金)

日本をここまで壊したのは誰か

1760










西尾幹二(にしお・かんじ)著

四六判/上製/264ページ/定価1680円/2010年5月

なぜ現代日本の停滞感が生まれたのか、その真因を探った力作エッセイ。
解体をもたらした元凶たちを名指しで批判する。

 民主党政権下、日本はますます迷走し続けているようですが、今日の荒廃を招いた原因は何か。著者はメディア上で保守の立場に立った評論を書き続けていますが、本書では、年来の主張から一歩踏み込んで、歴史的経緯と欺瞞の構造を、思い切って実名を挙げつつ批判しています。類書にない特徴的な指摘をいくつかあげてみましょう。

● 宮沢喜一や河野洋平だけではなく、福田赳夫や中曽根康弘=後藤田正晴の一見保守派も批判していること。
● 福田のダッカ日航機事件への対応の甘さが金正日の拉致事件を誘発したということ。
● 中曽根時代以降の日米構造協議、行政改革、靖国参拝問題は米中の日本攻撃だという認識が希薄だったということ。
● 江沢民とビル・クリントンの明らかな対日攻撃に無防備だったこと。
● 最近のトヨタ・バッシングは経済人の国家意識の欠如から生み出されたものだ。中国に媚びればアメリカに叩かれる。
● 「経済は経済の問題であり、政治とは関係ない」と公言する奥田碩や御手洗冨士夫のような経団連トップの認識ではやっていけない。
● グローバル化したからこそ国家というものが必要なのだ。米中を見れば明らか。
● シーシェパードを擁護するオーストラリアという国の人種差別的文化の歴史。
● 外国人参政権を認めたことによるオランダとドイツの惨状、日本の無警戒さ。
● 小沢一郎のやり方は小泉純一郎の手法と同じであり、批判を許さない左翼ファシズム的手法である。
● 鳩山由紀夫の沖縄基地撤廃論は十年前から一貫した主張であり、今にはじまったことではない。そういう人間をなぜ首相にしたのか。
……などなど。

 目をみはるような指摘に満ちており、また勇気を持って書かれた本書は、参院選を控えた現在、本質的な論議をおこすためにぜひ読んでいただきたい好著です。

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