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2011年2月21日 (月)

声に出して読みたい 論語

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齋藤孝 著

四六判 並製 二四〇頁 定価一四七〇円 2011年2月

論語は日本人の心を作った。

朝のラジオ体操のように論語の素読をすべしと説く。

寺子屋の素読こそ日本の原点

素読というのは本来、まず虚心をもってテキストを読むこと、声に出して読むことを言います。その時点ではまだ意味については考えず、ただ反復して読み言葉を身体で覚えることを主眼としています。江戸時代、日本各地に一万以上の私的教育機関としての寺子屋があり、多くの庶民の教育を担っていました。そこで素読されていたのが論語です。

江戸期そして近代の日本の識字率の高さ、教育レベルの高さはこの勉強法によって培われたといっても過言ではありません。著者の齋藤孝先生は小社刊『声に出して読みたい日本語』で有名ですが、その基本的な教育の考え方はこの伝統の素読法の再評価にありました。「論語の素読」、本書はその考えをさらに推し進めた本と言っていいでしょう。

論語とは哲学、思想、生き方の知恵がたくさん詰まった本

「巧言令色少なし仁」「君子は争うところなし」「古きを温めて新しきを知る」、有名な論語の言葉を100選んで本書では紹介し、大活字、総ルビで素読しやすいように工夫しています。著者による現代語訳、解説もついて、論語を現代において理解しやすいように、随所に工夫がほどこされています。著者の論語についての解説は、論語の本質をよく捕らえていると言っていいでしょう。「信」「仁」「孝」「礼」など有名な概念は同じ漢字文化だからこそ原点の意味は伝わり、そしてこれは現代に残る日本人の良き特質を育ててきた概念ともいえるのです。「人との約束を守ること」「勤勉であること」「欲張らず中庸であること」「礼儀正しいこと」など、もう一度この論語から原点に返ってみることが必要ではないかと著者は問うています。

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