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2011年4月11日 (月)

C級戦犯がスケッチした巣鴨プリズン

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飛田時雄・著/岡村青・構成

四六判上製/216頁/定価1785円/No.1821/2011年4月

●巣鴨プリズンの「生き証人」が、膨大なスケッチとともに往時を回想する稀有な記録!

 本書は、C級戦犯として巣鴨プリズンに収容された一庶民が、獄中で描きためていた膨大なスケッチとともに往時を振り返った本です。著者は戦争中、捕虜収容所に配属されていた際に、作業を拒んだ捕虜を殴った罪で重労働30年の判決を受けます。偶然にもA級戦犯たちと同じ房舎に収容された著者は、東條英機の身の回りの世話をするなど多くの高官たちと身近に接することになりました。本書に収められたスケッチは、その当時の様子を生き生きと伝えるものです。MPに恫喝される東條、配膳に並ぶ元高官、妻子の写真に手を合わせる服役者――。六十余年前の日本人が体験した悲痛な歴史の断面を、著者は細やかな観察眼で記録しています。敗戦日本の様相を雄弁に物語る、きわめて貴重な資料といえます。

【本書から】
●梨本宮からイラストを描いてほしいとの依頼を受けたのには正直びっくりした。まったく予想もしていなかったし、第一イラストを描いていることなど話した覚えもないからだ。なのに梨本宮は、「きみぃ、絵を描いてるっていうじゃないか。だったら、わしが食事分配で並んでるところを描いてくれんかね。記念に持っていきたいんだ」と言う。
●私が清掃に訪れると、東條は終わるまで外で待ち、終わると「ありがとう。ご苦労さま」と必ず礼を言ってくれた。清掃をしてもらうのは当たり前と思っている高官が少なくないなかで、東條は違った。東條と身近に接するにつれ、私の気持ちは変わってきた。
●本間雅晴はきたるべき裁判に備え、英文で証言資料を作成してはしきりと朗読し、「自分の裁判は無罪、しからずんば死あるのみ……」とまで言いきり、すでに覚悟は決めていた。そのような本間でありながら、隠れた趣味があるのも私は知っていた。本間は水飴が大好物だった。子供のように水飴をしゃぶってはニヤニヤしている彼の姿に思わずプっと吹き出してしまった。  

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