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2011年5月24日 (火)

虚子に学ぶ俳句365日

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『週刊俳句』編

四六判並製 216ページ 定価1575円

高浜虚子の句は俳句の勉強に最適だ!虚子を俎上に若手俳人たちが俳句作法を説く。

●現代的で、面白い虚子の俳句に学べ
 去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの(一月一日)
 桐一葉日当りながら落ちにけり(八月十日)
 流れ行く大根の葉の早さかな(十一月九日)
 遠山に日の当りたる枯野かな(十二月二日)
 高浜虚子はご存知のように近代俳句を拓いた正岡子規に兄事し、早世した子規の意を受け継いで俳誌『ホトトギス』を刊行し、俳界を隆盛に導いた近代最大の俳人。引用した代表作のように平明な中に日常を写生する鋭い視線は、もっとも俳句らしい俳句といって過言ではありません。「花鳥諷詠」「写生句」「台所雑詠」といった彼自身の言葉にも俳句の骨法がよく表現されています。本書はいまでも古びない(というよりかえって現代的な)虚子の句(20万句ともいわれる)の中から一日ごとに365句を選んで解説を付した本です。俳句は日本の自然に即した季節感を歌うものだとすれば、こういう並べ方の中に俳句の作法を読み取ってもらうのは良い練習になります。

●若手俳人たちがつどうウェッブ俳句誌『週刊俳句』
 虚子の俳句はいま若い人に人気があります。一時、月並みで面白くないと言われたこともありましたが、けっしてそうではなく(虚子が俳壇を専横していると見られ不当に毛嫌いされた面もある)俳句の本来の面白さをもった秀句がたくさんあります。この本は『週刊俳句』編となっており、若い選者が新しい観点から虚子の俳句を選んでいます。『週刊俳句』はウェブ上に刊行されている俳句誌で、今までの古臭い俳句誌とは異なり、気軽にウェッブ上で句を発表したり、俳論を戦わせたりする新時代の俳人(30代から40代の俳人、詳しくは巻末参照)がよりつどっていて、最近注目されている人気のウェブマガジンです。こうした若い俳人たちの目により選ばれ解説を付された虚子の句を存分に味わってください。東日本大震災以降、めっきり厭世感に浸っている人に読んでいただきたい。良きにつけ悪しきにつけ日本の自然とともに生きてきた我々の感性や人生観の原点に気づかされるはずです。

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