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2011年7月19日 (火)

葉隠 超入門

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市川スガノ・著

四六判並製/224頁/定価1365円/2011年7月

●誤解されてきた武士道の古典。その真の魅力を抉出する快著!●
「武士道といふは死ぬことと見付けたり」のフレーズで名高い『葉隠』は、ひょっとするとこれまでもっとも誤解されてきた古典なのかもしれません。江戸中期を生きた鍋島藩士・山本常朝が語り下ろしたこの大部の書物に収められているのは、日々の暮らしの中でどう身を処していくべきかの考察であり、人付き合いのコツであり、恋愛論、ファッション論に有名人・無名人のエピソード……とじつに多様で、「死ぬこと」を美化・推奨する思想に貫かれた書物ではけっしてないのです。よく言えば多彩な、悪く言えばごった煮的な内容の書なのだと著者は評しています。
 とはいえ『葉隠』の中で、死ぬことへの言及が目立つのも事実です。そして、その箇所が強烈なインパクトを読み手に与えることも間違いありません。ですが、それがどういう文脈で述べられているかに注目すると、『葉隠』の意外な姿が浮かび上がってきます。武士道の根幹は「死ぬことと見付けたり」と断言した後で山本常朝が述べるのは、そういう覚悟を固めておきさえすれば、「一生落ち度なく職務を勤め上げることができる」ということなのです(『葉隠』聞書第一ノ二)。死を覚悟しておくことは、それ自体が目的ではなく、不測の事態に直面してもたじろがずに振る舞うための手段なのです。
『葉隠』を注意深く読んでいくと見えてくるのは、閉塞感あふれる時代に自己の信念にしたがって生きようとあがき続けた一人の武士の姿です。著者は、この常朝の狂おしいほどの情熱を類まれな躍動感で読者に提示しています。人生の座標軸を見失いそうなとき、ぜひ手にとってほしい一冊です。

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