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2011年11月21日 (月)

ブッダの脳
――心と脳を変え人生を変える実践的瞑想の科学

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リック・ハンソン、リチャード・メンディウス著 菅靖彦訳

四六判/上製/312頁/定価1890円(税込)/2011年11月


脳を変えることができれば、人生を変えることができる
 苛立ちや怒り、不安や憎しみなどの不快な感情におおわれたストレス生活が続く現代において、どうすれば心の平安と幸福感を得て、他者への愛情、クリアな叡智に満ちた人生を送ることができるか。現代人のこの切なる願いを実現する方法として、脳科学や心理学の専門家である著者たちは「瞑想」の手法を徹底研究し、実践ワークショップを主宰して高い評価を得ている。
 脳の状態を変えることができれば、感情を制御でき、他者や世界との関係性を良い方向に変え、人生の方向を変えることができる。脳の状態は心の状態によって変わり、心の状態は脳の状態によって変わる。この心=脳を望ましい状態にもっていく方法が「瞑想」なのである。

仏教の伝統的手法と、最新脳科学・心理学の知見を統合する
 仏教といえば、死生観や倫理観を語るものとしてのみ認識されることがあるが、たとえば禅宗などは身体性というものを徹底的に追究した方法論をもっている。最新の脳科学や心理学が得た知見と照らし合わせてみることで、著者たちはこうした仏教の手法がいかに理にかなっているかを認め、それを積極的に取り入れていく。
 本書では「四諦」「八正道」などの仏教の概念を引きつつ、同時に脳の生理的機能をふまえて人間のネガティブな感情がいかに生まれるかを理解し、それをポジティブな精神状態へと導いていく具体的な方法論が展開される。
「苦しみ」「怒り」「憎しみ」から「平常心」「思いやり」「優しさ」「愛情」そして「自己解放」「覚醒」へと導く方法としての瞑想はいかに可能なのか。本書は具体的かつ実践的にその手法を開示する「ガイドブック」として書かれている。興味深いのは、いわゆる仏教的な「空」「無」という概念ではなく、おもに「言葉」をよりどころにして自分の意識を変え、「心/脳」の状態を変えていこうとする手法であることだ。
 激烈な速度で変化する社会で、ストレスの限界を超えつつある現代人にとってきわめて新鮮に響く画期的な一冊である。

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