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2012年3月

2012年3月22日 (木)

2012年版 プロ野球 問題だらけの12球団

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小関順二・著
四六判並製/216頁/定価1575円/2012年3月

●正しい戦力補強のあり方とは? 12球団の「見識」を徹底解剖する一冊●
 巨人の契約金問題が明るみに出たことで、いま改めてプロ野球チームの新人獲得はどうあるべきかが論じられています。本書の著者は、まさにこの点に注目して長年、球界をウォッチしてきたドラフト研究の第一人者で、2000年から年度版として刊行されている本シリーズでは、選手獲得・育成という視点から各球団のチーム作りの可否を論じてきました。逆指名が可能になった90年代以降、この制度でもっとも恩恵を受けると考えられた巨人の成績は以前より落ち、一方で苦戦が予想されたパ・リーグ各球団からは、日本球界を代表するような選手が続々と生まれました。何が成功と失敗をわけるのか、著者は過去のドラフト指名の傾向からさまざまな成功法則を導き出し、そのうえで12球団の今年の戦いを予測しています。各チームの理想と現実が手にとるようにわかる、プロ野球ファン必読のガイドブックといえます。

【本書から】

●過去の実績をみると、巨人の「大型補強」がペナント制覇に結びつく確率は4割。巨人は目先の勝利のために育成路線を捨てるべきではない。
●阪神は選手の実力下降期の見きわめを見誤って新陳代謝のチャンスを見逃してきた。城島の一塁起用プランからも、阪神の覚悟のなさが見える。
●ソフトバンクでは43勝分の投手陣が流出し、野手でも中心選手だった川﨑が抜けてしまったが、出番を待つ好素材が目白押しでフロントの力を感じさせる。
●今年の新人選手でもっとも期待できるのは、千葉ロッテにドラフト1位で入団した藤岡貴裕。「2ケタ勝てる」と安心して書ける稀有な新人投手だ。

☆【書店様へ】『問題だらけ』POPのお知らせ

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セリーグ版POPはこちらより

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2012年3月16日 (金)

日本人が知らない 軍事学の常識

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兵頭二十八〔ひょうどう・にそはち〕=著

四六判上製 三三六頁 定価一八九〇円 二〇一二年三月


〇軍事をなおざりにしてきたツケ
 去る二月二十八日に発表された福島原発事故に関する「民間事故調」の報告は、案の定というべきか、菅前首相ら官邸の対応を「稚拙で泥縄的な危機管理」と評しています。何が、どの程度、危ないのかがわかっていない。近年の大事件・大事故対処を見てもわかるとおり、これはひとり官邸のみならず、日本人全体にいえることでしょう。危機管理能力、危険を察知する力が劣化していることは間違いありません。その背景の一つに、戦後日本が、軍事の方面から目を逸らしてきたことがあるように思われます。軍事の要諦は、彼我の戦力(=実力)や危険の度合いを見極め、最も合理的な対処法を追究することにあるはずで、こうした分野を忌避していれば、未曾有の事態を前に立ちすくむしかありません。本書は、軍事学の常識という観点から、米国、中国、韓国、北朝鮮、ロシア、そして自衛隊の掛け値なしの実力を測り、内外の危機の核心に迫ってこれを平易に解説したものです。該博な知識に裏打ちされた分析によって、世上に溢れる情報の真贋や国際関係のリアルな様相が浮かび上がり、一読、眼前の霧がきれいに晴れていく思いがします。

〇米中の本当の実力が見えてくる

 時代は変われど、米国、中国との関係は日本が最も真剣に考えねばならないテーマです。本書でも両国の実力のほどについては多くのページが割かれています(第2章、第5章)。それによれば、米国の軍事力は圧倒的で、かたや〝脅威論〟が喧伝される中国の軍事力は〝張り子の虎〟同然。中国のいちばんの恐ろしさは、国家ぐるみのハッカー、エリート・スパイ養成といったソフト・パワーによる攻撃、また近代ルールを溶解させてしまう〝腐敗力〟であると、著者の兵頭氏は断じています。「米国は中国軍の弱さを十分承知しているものの、これをあからさまにすれば議会で軍事費が削られる」「普天間と嘉手納の基地統合を阻むものは米空軍と米海兵隊の文化の違い」「米国は陰に陽に日本の安全保障に貢献しているが、その根底には日本を核武装させないという意思が働いている」等々の鋭い見立ては著者の真骨頂といえます。米国の対テロ対策の周到さ、無人兵器化への流れも紹介されていて、〝パンとサーカス〟にうつつを抜かす日本人の知らないところで、世界は猛スピードで変化しているのだと気づかされて愕然とします。

〇幼稚な先入観にとらわれないために

 国内に目を転じて、北方領土や尖閣、原発事故や大災害への対処法、MD(ミサイル防衛)の有効性、靖国参拝をどう考えるかについての解釈・提案もまた瞠目すべきものがあります。たとえば、「北方領土は三島で手打ちが合理的」「日本の政治家は八月十五日に靖国神社を参拝してはいけない」と著者は説いていますが、領土問題の起源や靖国神社の成立過程を知れば、意表をつくようなこうした提案がじつに正鵠を射たものであることがわかります。軍事的常識のスケールをあててみれば、幼稚な先入観にとらわれることなく、いたずらに恐怖心・敵愾心を煽られることもなく、地に足がついた判断が下せることを本書は教えています。日本が置かれた立場を客観的に見、危機の所在を知るために、ぜひとも多くの人に読んでいただきたい一冊です。

雅子さまと愛子さまはどうなるのか?

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佐藤あさ子 著

 四六判 上製 256ページ 定価1680円 2012年3月

「いじめ問題」「不登校問題」をウォッチしていると、天皇家のさまざまな問題が見えてきた!

●次世代への継承は、はたしてうまくいくのか
 この本は2010年3月、「愛子さまがいじめにあっていて、小学校(学習院初等科)に通えない」という東宮側の記者会見に端を発した「愛子さま不登校問題」、そしてそこから派生した雅子さまの過剰ともいえる「付き添い通学問題」の一部始終を取材してきた現場記者により書かれた皇室の現状レポートです。あの可愛らしい愛子さまはどうなってしまうのか、
あの聡明な雅子さまの「適応障害」という、ご病気はどうなってしまうのか、という一般国民の心配や関心は、現在、天皇陛下の体調への不安もあり、高まるばかりです。震災発生以来、陛下の現地お見舞いや公務は多忙を極め、皇太子の公務代理の機会は増えているにもかかわらず、雅子さまと愛子さまのことをおもんばかるあまり、東宮家と皇居の連絡はあまりうまくいっていないように見受けられます。また今後、女性宮家の創立や女系天皇の可否など、皇室継承は問題山積です。それでなくとも古来から伝わる皇室の伝統を現代に生きる皇太子がどのようにして守り、また国家がどのようにして維持していくかは難問中の難問かもしれません。このことを考えるための一資料としてこの本は、興味深い貴重な材料を提供してくれていると思います。

●皇室にいま何が起こっているのか
 この本は当初、月刊誌や週刊誌の取材記者として現場に張り付き、日々(一年九か月)、学習院初等科の前でウォッチしていた著者の見聞から始まり、その後皇室周辺の関係者への取材を経て書き上げたものです。なぜ今日、皇室問題がギクシャクしているのか。貴重な我が国の文化伝統である皇室の存続を考えるとき、東宮をめぐるある種、滑稽ともいえる騒動は現代日本の反映であるかもしれません。何人もの警護や付き添いを同伴して、ほんの目と鼻の先の初等科へ通う愛子さま、それに付き添い、学内で長い時間を過ごす雅子さま、そして公務よりもマイホームを大事にする皇太子ご夫妻の姿、何もアドバイスや厳しい指導をできない東宮職といった構図には、伝統が解体し、あらゆる局面で機能不全に陥りつつある日本の諸問題を象徴するかのような趣があります。いずれにしろ皇室にいま何が起こっているかのレポートとして本書はきわめて興味深いレポートです。

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