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2012年4月13日 (金)

こんなにちがうヨーロッパ各国気質
――32カ国・国民性診断

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片野 優/須貝典子

四六判 並製 320ページ 定価1680円 2012年4月

ギリシャ人はなぜ働かないのか、ポルトガル人はなぜ時間を守らないのか。
EUの危機も国民性から見るとよくわかる。

●歴史、民族、文化がちがう個性的国々
 昨今、ギリシャの財政破綻がきっかけとなってユーロやEUの危機、世界経済への悪影響が話題となっています。PIGS(ポルトガル、イタリア、スペイン、ギリシャの頭文字)などというEUのお荷物国家のことが指摘されることも多い。この本は経済を論じた本でもなければ、EU危機を論じた本でもありません。ヨーロッパの32カ国の国民性の違いを実地の体験や面白いエピソードを交えて綴った本です。しかし、おのずとそこからはヨーロッパが抱えている矛盾や、問題点、日本のような先進国が共通に抱えている病弊のようなものが浮き彫りにされていてとても示唆的な読み物になっています。ノルウェーで去年、一人の男が70人ぐらいの市民を殺害するテロが起こりましたが、幸福度世界一の、豊かな福祉国家でなぜ悲劇が起きたのか。北欧やオランダなどの高福祉で人権意識の強い国家が移民の大量流入でいま苦しんでいる。また過去の栄光を引きずるイタリア、ギリシャ、スペインはシエスタ(昼寝)はなくなりつつあるとはいえ、勤労意欲の低さは依然として問題です。お決まりのエスニックジョークを交えて描く様々な民族の実相はとても興味深い。

●32カ国の実地を踏んだ珍しい貴重な体験集
 著者の二人は現在セルビアのベオグラード在住で、二十年前ぐらいからヨーロッパに住み、ジャーナリストとして取材や執筆の仕事を続けてきました。とくに環境問題や、交通問題に詳しく、ウィーンやプラハなどの案内的読み物も著しています。ハンガリー、オーストリア、セルビアなどに住み、取材などで訪ねた国はこの32カ国に及びます。こんな体験をしている人はめったにありません。また著者の居住地や活動範囲が旧ユーゴスラビアや東欧、中欧に多いため、いままでよく知られていなかったバルカン半島の小国に詳しいというのもこの本の特徴かもしれません。マケドニアが国名を周辺国から認められていないなどという話は知っていましたか。ブルガリアについて琴欧州とヨーグルト以外に我々は何を知っているでしょうか。またルーマニアの金髪美人はなぜ危険かもこの本を読むとよくわかります。とにかく話の種としても面白いエピソードがたくさん詰まった好著といえましょう。

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