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2012年8月23日 (木)

病を癒す希望の力
――医療現場で見えてきた「希望」の驚くべき治癒力

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ジェローム・グループマン著 菅靖彦・田中淳一訳/2012年8月

四六判/上製/264頁/定価2415円(税込)

「希望」と「治癒」との関係性を、豊富な臨床例と科学的知見から検証

 がんや血液疾患を専門とする医師が、30年以上にわたる自らの臨床経験と最新の科学的知見をもとに、「希望」と治癒力の関係を考察した本書は、ニューヨークタイムス等でベストセラーになった話題の書です。
 意識や感情のありようが治癒力を高め病気を克服する、ということは昨今かなり広く言われています。しかし現実には、どれほどポジティブな意識や感情を持っていようとも病に打ち克てないケースは少なくありません。
 その一方で、きわめて重篤な病状にあり治療者を含め誰もが諦めるような状況にありながら、希望をもちつづけ驚くべき回復を見せたというケースもあります。いったいそこでは何が起こっているのでしょうか。
 著者は、自身が体験してきたさまざまな臨床例を、さながらドキュメンタリーのような迫真の筆致で再現していきます。また自ら長期にわたって苦しめられた痛みとの戦い、それに対する医学の非力と、驚くべき効果をもたらした治療法の存在。治療者としての視点だけでなく、苦しみに苛まれる患者としての体験をふまえたうえで、「希望」というものが病気に、さらには人間の有り方生き方にどれほど深くかかわっているかを、最新の科学的知見をひきつつ検証していきます。
 もちろん、現時点ではまだ「希望」と「治癒」との明快な関係性を結論づけることはできません。しかしながら、つい最近まで研究の対象にもなりえなかった「希望」の影響力について、真剣に取り組む必要性が出てきたことを著者は指摘しています。
 本書は医療の現場における新たな可能性を示唆すると同時に、人間の肉体と精神との関係性を知る新たな地平をも拓いてみせる貴重な書だと言えます。『医者は現場でどう考えるか』(How Doctors Think)などの名著を発表しているグループマン博士の話題の書の全訳です。

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