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2012年8月23日 (木)

もう一つの地球が見つかる日
――系外惑星探査の最前線

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レイ・ジャヤワルダナ/阪本芳久訳
四六判/上製/304頁/定価2,310円/2012年8月


◆科学界でいま最も熱い領域! 太陽系外惑星の探査
 地球のような惑星はほかにはないのか? 生命は地球にしか存在しないのか? 人類が長年抱いてきた素朴な疑問に、いま、答えを出ようとしていることをご存じでしょうか。太陽系外の惑星=系外惑星の探査が近年驚くべき進歩を遂げており、もうじき地球にそっくりな惑星が発見されるというところまで、われわれは到達しているのです。
 1990年代中頃に最初の系外惑星が発見されるまで、知られている惑星はこの太陽系を回るものだけでした。それがいまや、数光年以上の遠く、場合によっては1万光年以上の彼方にある惑星の存在が確認されており、その数は500個を超えているのです。現在の系外惑星探査は、まさに発見に次ぐ発見。これほどまでに数多くの成果が短期間に上がっている領域は、科学界でもそうはありません。

◆遠くの惑星の大きさ、公転・自転周期、大気組成から気象までわかる
 驚くべきなのは発見されている惑星の数だけではありません。惑星の特徴についても、いまやかなりのことがわかっています。大きさや質量、公転周期、表面温度、惑星の物質構成、場合によっては大気の構成、自転周期もわかります。それだけでなく、気象現象(強力な風の発生、温度変化など)までも、その徴候が観測されるようになっています。
 系外惑星に、生物がいるかどうかを観測から知るという課題にも、研究者たちは懸命に取り組んでいます。系外惑星に水や酸素があるか、生命活動の徴候を示すメタンが存在するかなどの観測手法の研究も進められており、そう遠くない時期に「生命の証拠」が手に入る可能性が高まっているのです。

◆なぜ成果が急激に? 研究者たちの闘いと勝利の歴史
 系外惑星探査の驚くべき成果は、このわずか十数年のあいだに急激に得られたものです。それまでの系外惑星研究といえば、天文学の中でもマイナーな存在で、予算も世間の注目も集められず、研究者たちは数十年間にわたって不遇の時代を過ごしてきました。その状況を一変させたのは、望遠鏡技術の急速な進展と、研究者たちの創意工夫による新しい観測方法の開発です。本書ではそういった技術的背景や、状況を覆した研究者たちのドラマなど、系外惑星探査の歴史的・人間的な側面も描かれています。本書の著者は、系外惑星を初めて画像として捉えるという画期的な成果を出した現役の研究者。まさにこの領域のただ中に身を置いているので、その文章からは、発見に湧く現場の興奮や、ひりつくような研究者間の競争の様子までが伝わってきます。科学界で最も熱い領域でいま、何がおきているのか。科学のいまを知りたいのなら、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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