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2012年9月12日 (水)

ロッキード・マーティン 巨大軍需企業の内幕

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ウィリアム・D・ハートゥング 著 玉置悟 訳

四六判上製/400頁/定価2730円/2012年9月

●最新戦闘機からインテリジェンスまでカバーする究極の軍産複合体●
 本書は、アメリカの政策決定に多大な影響力を持つ軍需産業界の巨人、ロッキード・マーティン社の歴史を生々しく描いたノンフィクションです。著者はシンクタンク「ニューアメリカ財団」で上級リサーチフェローを務める論客で、長年にわたり軍需産業界と政界・官界との癒着を指摘してきました。本書では一飛行機メーカーに過ぎなかった同社がどのようにして米政府との関係を築き、今日の地位を築いたのかを詳細に辿っています。いまや兵器の生産にとどまらず、安全保障全般をカバーしてビジネスを行ない、「21世紀のビッグ・ブラザー」になるとも評されている同社の歴史はスキャンダルに彩られていますが、それだけに本書は非常にスリリングな読み物になっています。現在、沖縄への配備をめぐって大問題になっているオスプレイは、ロッキードのライバルであるボーイング社がヘリの老舗会社と共同で開発した機種ですが、この新型輸送機の開発計画に対して、ロッキードのCEOだった人物が諮問委員会で支持を表明する顛末も本書には出てきます。時にはライバル会社とも躊躇なく手を組んで業界の利益を追求するのが同社の強さです。安全保障の基盤を日米同盟に置く日本にとって、ロッキード・マーティンというガリバー企業は等閑視することのできない存在といえます。この国の行方を案じるすべての方に、是非お読みいただきたい一冊です。

【本書から】
●第二次世界大戦後、多くの航空機メーカーが民間機開発へ舵を切るなか、ロッキード社は政治家・ペンタゴンを引き込んで「官」で稼ぐビジネスモデルを確立した。
●21世紀に入ってからの8年間で、アメリカの兵器メーカーの輸出額は2倍になった。ロッキード社はその最大の受益者で、F16がもっとも売れた商品だった。
●現在はインテリジェンス分野にも参入。国税庁のデータ管理システムを開発し、FBIが所有する5500万人の指紋のデータベースを管理する業務まで請け負うようになっている。

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