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2012年10月10日 (水)

いつか見たしあわせ
――市井の幸福論

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勢古浩爾著
四六判並製/240頁/定価1470円/2012年10月

アラン、ショーペンハウア―、ヒルティ、ラッセル、ヘッセ、福田恆存……
古今東西の賢人たちの幸福論から最先端の幸福研究まで
じっくり読み解いてわかった「しあわせの本質」。

●ふつうの人にとって本当に役に立つ“異色の幸福論”
 本書はこれまでの幸福論とは違い、「しあわせになるための方法」ではなく、「しあわせの本質」を明らかにするものです。本書が誕生する契機は、いくらしあわせになる方法を読んでも、人によって多種多様なしあわせ観があるので、読者自身にとってあまり役に立たないことが多いという現状があったからです。
 本書では著名無名に関わらず、古今東西のできるだけ多くのしあわせ観について吟味します。読めば読むほどに、「しあわせ」の多様性に驚かれると思います。同時に「しあわせになるための方法」自体に実は、あまり意味がないことに気づかれるでしょう。
 結果、著者がたどりついた「しあわせの本質」とは、しあわせは将来や現在に探すものではなく、「ふりかえって気づくもの」であり、今、目の前にあるこのありふれた日常が、しばらく経ってふりかえってみると不思議とあたたかい記憶(=いつか見たしあわせ)になるというのです。
 人は往々にして、未来のしあわせのために今を生きようとするものです。目の前のしあわせには気づかず、失ってはじめてそのありがたさに気づくことが多いものです。でも、失ってからでは遅い、だからこそ、むやみやたらなしあわせ探しをやめて、「何でもないような、この日常」のありがたみに気づいてほしいと著者は静かに訴えます。
 東日本大震災を経験した今、その意味の深さを理解できる人は非常に多いと思います。本書は閉塞感漂う社会のなかにあって、自分の足元を見つめ直し、ほっと一息つける本になっています。しあわせ探しに疲れたという人にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

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