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2013年1月21日 (月)

声に出して読みたい親鸞

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齋藤孝 著

四六判 並製 224ページ 定価1470円 2013年1月

親鸞は声に出してこそ沁みてくる。
現代に生きる親鸞の知恵。

●親鸞を声に出して読んで現代に活かそう
 親鸞は古くから日本人の心を捉えてきた宗教家であり思想家です。浄土真宗の仏事などでお経として読まれていますので馴染みは深いはずです。しかし、その真意は完全に理解されているとは言えません、有名な「善人なおもって往生をとぐ、いわんや悪人をや」にしても、「他力本願」という言葉にしろ、わかったようで十分に納得はできていないでしょう。しかし、中世以来あれほど人びとの心に訴えてきたのには、それだけの魅力があるのです。本書は『声に出して読みたい日本語』(草思社刊)以来、朗読や暗誦の意義について強調しつづけてきた齋藤孝氏が、親鸞を取り上げ、古典中の古典とも言える『歎異抄』を中心として「和讃」「教行信証」などの著書の中から代表的な100語を選んで解説を加えたものです。親鸞は声に出して読むことで理解が深まる。なぜなら親鸞はあなたに語りかけてくる「一対一」の関係を常に心がけているからです。

●なぜ善人より悪人の方が救われるのか
 有名な「善人なおもって往生をとぐ、いわんや悪人をや」は齋藤氏の解説ではこうなっています。「切実さが強い者ほど救われる度合いも強くなる。自分は罪深い人間であるという自覚が強いほど、往生の道は近いということです」。きわめて簡潔にわかりやすく説明してくれます。また現代でリストラにあって失職した人の例を引いたりして、その具体的な比喩もわかりやすい。親鸞は「南無阿弥陀仏」、ただこの六文字を唱えよ、と説きます。ただこの六文字が心の静けさをもたらし、自らを恃む「自力本願」を捨てて、阿弥陀仏に帰依する「他力本願」に至るからだということです。災害や経済不況や恋愛など自らの力ではいかんともしがたいことで悩む多くの現代人に、まず自分より大きな阿弥陀仏のような存在に身を委ねてみると、心は軽くなるということでもあります。ほかに「臨終待つことなし、来迎たのむことなし(覚悟を決めた瞬間にもう救われているのだ)」「地獄は一定(いちじょう)住処ぞかし(地獄以外に住みどころはないのです)」など有名な言葉がたくさん本書には詰まっています。

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