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2013年1月17日 (木)

[新訳]ヒトラーとは何か

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セバスチャン・ハフナー 著 瀬野文教 訳

四六判並製/320頁/定価1890円/2013年1月

●独自のヒトラー解釈で話題を呼んだ名著がさらにわかりやすくなって登場!●
 学歴も職歴もなく、友人もろくにいなかったボヘミアン的な人物が、またたくまに世界でもっとも知的な国を牛耳ることに成功したのはなぜか? 本書はヒトラーと同じ時代を生きた稀代のジャーナリストが、名人芸ともいえる筆致でヒトラーの成功と転落の経緯を描いてみせたヒトラー論の決定版ともいえる一冊です。原書は1978年にドイツで刊行されるや忽ちベストセラーとなり、日本語版も翌1979年に翻訳されて以来、今日まで版を重ねてきました(累計25刷)。
 1933年(ナチスが政権を握った年)にヒトラーに反対していた人々の大半を1938年には味方にしていた、と著者は書いています。ドイツ経済の再建と外交の勝利によって、「そうは言うが、あの男は何もかもやってのけたじゃないか」という空気がドイツを覆っていたというのです。こうした叙述からもわかるように、著者の強みは「あの時代」の空気を吸い、人々の姿をつぶさに観察していた点にあります。大衆を熱狂させた力の源はなんだったのか、その世界観の大きな矛盾、そもそもナチス国家を準備した時代状況とは……こうした興味の尽きないテーマが次々と俎上にのせられ、みごとにさばかれていきます。本書のヒトラー論が浮き彫りにするデモクラシーの機能不全やポピュリズム、グローバリズムとナショナリズムの相克といった問題は、今日の日本人にとっても他人事ではありません。いまだからこそ読んでおきたい本です。

【目次から】
30歳、無職、職歴なし/ひらめきで勝負する「仕事嫌い」/経済オンチがドイツ経済を再建できた理由/ドイツ人が陥った自己欺瞞のスパイラル/ヒトラー最大の敵はドイツの保守勢力だった/左翼的ポピュリストとしてのヒトラー/ヒトラーが見誤った各国の「反ユダヤ感情」/もし20世紀にヒトラーがいなかったら/ヒトラーはなぜアメリカと戦ったのか/大衆のノスタルジーと合致した「生存権」構想/ニュルンベルク裁判の矛盾/ヒトラーの罪は「戦争犯罪」ではない/ドイツ人への失望と復讐

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