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2013年10月22日 (火)

トップシークレット・アメリカ
――最高機密に覆われる国家

2009

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デイナ・プリースト、ウィリアム・アーキン著、玉置悟訳

四六判/上製/360頁/定価2730円(税込)

膨大な「最高機密組織」の迷宮が覆うアメリカの驚くべき実態
 9.11以降のアメリカは国を挙げて対テロ戦争の態勢をとり、あたかも警察国家のごとき様相を呈している。情報機関や治安当局が最新の監視システム、情報処理システムを駆使し、CIAや特殊部隊がテロ工作員を殲滅、いまやアルカイダは世界に数百人しかいないとも言われる。にもかかわらず、アメリカではいまだに警戒レベル「イエロー」(テロ攻撃ハイリスク状態)にあり、国家安全を大義とする膨大な数の組織(政府、民間とも)を抱えつづけている。
 それらの組織は「最高機密(トップ・シークレット)」を扱うものとして活動を続けるが、1200を超える政府組織に25万人以上の従業者、そして政府から業務を請け負う民間会社の人員を含めると、じつに85万人もの人間がなんらかの「最高機密」にアクセスしているという異常事態となっている。
 まさに最高機密のジャングルと化したアメリカだが、果たしてその組織は何から何を守り、どんな活動をしているのか。情報公開を旨とする民主国家アメリカでは、いまや市民がアクセスできない「知る必要はない」情報が国家を覆いはじめ、その全貌をコントロールできているものが誰かも判然しないという。
 本書は長年にわたる精緻な取材でピュリツァー賞を受賞しているワシントンポストのベテラン記者らが描きだした、最高機密国家アメリカの驚くべき実相である。

日本の「秘密保護法」「NSC」の行方を見極めるために
 日本でも「国の安全や外交にからむ機密情報の漏洩を防ぐため」として「秘密保護法案」や「日本版NSC」の設立が検討されはじめている。あまりに無防備だった日本の状況において秘密保護の必要はあるはずだが、その方向性には問題はないのか。実効性の高い態勢はほんとうに可能なのか。いまの日本にとって、本書が示すアメリカの「最高機密迷宮」の実態はきわめて深刻な示唆に富んでいるはずだ。

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