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2014年4月

2014年4月18日 (金)

加工食品には秘密がある

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メラニー・ウォーナー著/楡井浩一訳
四六判/並製/304頁/本体1850円

食卓に欠かせない「加工食品」の驚きの実態を
綿密な取材をもとに客観的に解き明かす

 フォーチュンやニューヨークタイムスで活躍する女性記者が、さまざまな加工食品の「製造現場」を綿密に取材して書きあげた驚きのノンフィクション作品。
 賞味期限を過ぎても腐らない食べ物への疑惑から説き起こし、「白い粉だらけ」の加工食品見本市、腐らないチーズ、栄養がありそうでないシリアル、植物由来ではないビタミン添加物、管理当局が追いつかない厖大な食品添加物、工業製品としての植物油、食欲をそそる香料の秘密など、さまざまな情報を紹介する。
 その筆致は、糾弾や暴露するような厳しさはないが、圧倒的な事実が並んでいくことに、はじめは笑いを誘いつつもやがて背筋が寒くなってくるはず。
 本書を通じてみえてくるのは、加工食品業界が、効率優先・ビジネス優先の志向性にのって先端技術を投入することで「新しい食品」を次々と生み出していることと、その食品の安全性、健康への影響などの検証が追いついていない現状だ。
 また本書でわかってくるのは、人間が食べ物をどのように体に摂りいれているか、その機構はじつはまだよくわかっていない、ということ。たとえば食物繊維は内臓の浄化のみならず、消化の速度をあえて遅らせるという意味もあるようだ。加工食品業界ははたして、人間の消化機能をしっかりとふまえて食品をつくっているのか。
 いつまでも腐らないディップの話、そして、放置しておくと「液体」になったチキンナゲットの話が本書には出てくる。いったい、私たちが食べているものの正体は何なのか。あふれかえる加工食品の数に比して、その実態についての情報はまだ豊富とはいえない。あらゆる消費者にぜひ読んでいただきたい一冊である。

考える力がつく算数脳パズル 迷路なぞぺー

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高濱正伸(花まる学習会代表)・川島慶(花まる学習会)著
B5判/並製/112頁/定価1,188円

◆佐賀県・武雄市の官民一体校と提携、注目の花まる学習会・高濱氏による「なぞぺー」最新作!
 2014年4月17日、花まる学習会と佐賀県武雄市は、同市の官民一体型小学校の開設にあたって、提携することを発表しました。公教育に民間の学習塾である「花まる学習会」のノウハウを取り入れるということで、これまでにない試みとして大変おおきな注目を集めています。その発表記者会見においては、「メシを食える大人を育てる」「生き抜く力を養う」といった理想が熱く語られました。しかし、その理想を実現する具体的な方法はいったいどのようなものなのでしょう……。
 その答えは、「なぞぺー」に凝縮されていると言ってよいでしょう。「なぞぺー」は官民一体型小学校で指導に取り入れられる重要な要素とされています。その本書は『考える力がつく算数脳パズルなぞぺー①②③』からはじまり、累計で11タイトルめとなる「なぞぺー」シリーズ最新刊です。

◆考えることが好きになる! 子どもだけでなく、大人もはまること間違いナシの楽しさ!
 大人でも、本書をはじめとする同シリーズの問題を少しでも解いてみれば、そこに確かに思考力を鍛える核となるものがあると実感できるでしょう。また、それだけでなく、その面白さに魅了されるはず。その魅力には秘密があるのです。
 数理思考パズルである「なぞぺー」は、もちろん思考力を鍛えるために作られていますが、それ以上に、解くこと・考えることを楽しいと感じさせることを目的にしています。そのため、著者らは指導の現場で「なぞぺー」を使いながら、子どもたちのやる気、達成感の感じ方、どんなところで引っ掛かるか、解くことを楽しんでいるかどうかなどの反応を細やかに見て、問題を作り直したり、ダメなものはボツにしたりしています。「なぞぺー」はその魅力を教育の現場で鍛え上げ、選別されてきた問題なのです。
 本書『迷路なぞぺー』の問題も、花まる学習会の教室や、国内の児童養護施設やフィリピンの孤児院での学習支援活動で「迷路」を使った経験から、練り上げられ、鍛えあげられてきたもの。カメラで見はられている迷路や、2階建ての屋敷の迷路、くさい沼地を通り抜ける迷路など、さまざまなバリエーションを用意して、飽きさせないよう工夫されています。どの問題も子ども向けでありながら、子ども騙しのものはなく、大人がチャレンジしても本気にさせられる問題もいくつもあります。「子どもでも解けるのに、大人でも難しい」というのも「なぞぺー」シリーズに共通する特徴なのです。
 本書も同シリーズのこれまでの本と同様、親子で楽しんで、「考えること」の面白さを子どもと一緒に感じていただける一冊となっています。

例題

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仕事に差がつく  ビジネス電話の教科書

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「電話応対コンクール」元審査委員長 
恩田 昭子(おんだ あきこ)著

四六判並製/240頁/本体1400円

■ビジネス電話には、プライベートの電話とは違う、独特のマナーやルールがあります!
 小さい頃から携帯があった世代が、会社に入ってまずつまずいてしまうのが、電話応対です。当たり前ですが、会社にかかってくる電話や会社にかける電話の場合、誰が電話に出るかわかりません。そこが携帯・スマホとビジネス電話の大きな違いです。携帯・スマホに慣れた人は、「相手」が誰かわからない電話をとったり、かけたりすることは未知の経験であり、基本的なマナーもルールも身についていないのです。
 そうした背景を踏まえ、25年来、コールセンターの運営、電話応対の品質管理や社員研修サービスの提供を通じて、数多くの電話のプロを育成指導してきた著者が、蓄積してきたビジネス電話のノウハウを「教科書」としてまとめたのが本書です。この本では、ビジネス電話の独特のマナーやルールについて「なぜ必要なのか」という視点から、レベル別に噛み砕いて解説していきます。声の出し方から応対の基本、売り込み、クレーム対処、携帯・スマホのマナーまでを網羅し、この1冊で電話応対のすべてが学べる内容になっています。
 今や何でも用件をメールですませる人が増えているからこそ、電話力を上達させることで、会社の好感度をあげたり、「声」のコミュニケーションによってお客様に安心感を与えたり、そのメリットははかりしれないのです。
 昨今、社員教育にあまりコストをかけられない時代に、本書は、新人教育のテキストにも最適です。もちろんベテラン社員のさらなるスキルアップにも、多くの方のお役に立てるのではないかと考えております。また本書を通じて、ビジネス電話の意外に奥の深い世界にも驚かれることと思います。

★目次より
LEVEL1―ビジネス電話の基本のルール
LEVEL2―戦力になる電話のルール
LEVEL3―売り込むための電話のルール
LEVEL4―クレーム電話の応対のルール
LEVEL5―もっと上達するためのルール

なぜ韓国は中国についていくのか
――日本人が知らない中韓連携の深層

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荒木信子著

四六判上製 三〇四頁 定価二三七六円


〇国交正常化を画期として深まった中韓連携
 日本の朝鮮統治時代をめぐる歴史認識を取り上げて日本批判を繰り返す韓国朴槿恵大統領の言動は、朴氏が一国の国家元首の立場にあることを考えれば、何とも異様です。一方これとは対照的に、先のハーグ核安保サミットでは朴氏が日米韓首脳会談に優先して中国習近平主席と会談を行なうなど、中国との親密ぶりが目立ちます。中国と韓国はかつて朝鮮戦争で敵同士として戦い、双方に夥しい数の犠牲者が出たわけですが、こうした歴史はもはや不問に付されているかのようです。
 本書は、二十年余にわたり日韓関係をウォッチしてきた著者が、近年顕著になった中韓連携の由来を探ったものです。日韓間、中韓間の人的交流の推移を示す統計、中韓要路の接触を伝える韓国メディアの報道を丹念にたどった結果明らかになったのは、一九九二年の中韓国交正常化を機に韓国の中国傾斜が一気に進み、その後連携が深まったこと、多事多難な九〇年代を送った日本はこうした事態の進行に気づかなかったということです。

〇朝鮮半島でプレゼンスを増した中国

 連携の中身がけっして対等なものではないことも本書は明らかにしています。
 好調な経済を追い風に盧泰愚大統領は(旧)共産圏との修好を遂げ(「北方外交」)、その仕上げとして中国との国交正常化を果たしました。このとき韓国が正常化に前のめりになったのは、北朝鮮より優位に立とうとの思惑と、中国市場への期待が大きかったためと著者は見ています。しかしながら中国は正常化の声明の中で韓国が朝鮮半島の唯一の合法政府であるとは言っておらず、かたや韓国は中国の要望どおり長年の友邦国台湾を切り捨てました。金泳三大統領の時代には北朝鮮の核危機が表面化し(一九九三~九四年)、韓国は中国が北朝鮮を御してくれることを期待しますが、中国は曖昧な姿勢をとりつづけ、結局米朝合意がなって危機が去ってみれば、中国は北朝鮮との関係を保ったまま韓国への影響力を強めるというパワーバランスの図式が出来上がっていたのでした(第二章、第三章で詳述)。韓国との関係を深めることで中国は朝鮮半島全体でプレゼンスを増したのです。

〇〝韓国カード〟が切れるようになった中国
 一九九四年から「愛国主義教育」に名を借りた反日キャンペーンを発動した中国江沢民主席に金泳三大統領が同調、九五年の江・金共同声明でいよいよ本格的な対日歴史共闘の幕が開くのですが、この時期を跡づけた第四章はとりわけ読み応えがあります。両首脳はこのとき歴史認識問題でそろって日本を非難。韓国としては中国に北朝鮮を抑える役割を期待していたのでしょうが、結局のところ前面に出たのは歴史問題であり、共闘とはすなわち中国が日本に対して〝韓国カード〟を切れるようになったことを意味し、日本にとってはまことに厄介な状況が出現したと著者は指摘しています。
 中韓には二千年に及ぶ歴史の紐帯があり、日韓併合以降今日までがむしろ例外なのであって、すんなりと結びつくのは〝自然の摂理〟と著者は述べていますが、こうした原初的な関係があらわになった今は日韓関係を捉え直す好機でもあり、そのためにはまず韓国の行動原理を冷徹に見ることが肝要、本書は間違いなくこれに資する一冊と言えます。

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